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ぺーじむいしゅきん−北海道十勝の原野より

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#新年


あけましておめでとうございます。
皆様にとってよい一年となりますように。

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わたしたちが越してきてからずっと「今年は雪が多い」と言われている十勝地方。
今年もすでにたっぷりと降っている。

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今年の初日の出は原野で。
昔から『行く年来る年』を観て雪の中静かに地元の神社にお参りする人々に憧れていたけれど、今年はとうとう子どもたちが眠ったあとT氏とふたりで「雪深い地元の神社に真夜中に参拝」という夢が叶った!
別の部落の方々が当番をしてくれていて、凍りかけたお神酒を「もうシャーベット状態。なかなか呑めませんよーこんなのは」とすすめてくれて。満天の星の中を散歩して…。
色々あった去年という一年間が「結婚して十年間の第一部終わり」という気分だったわたしにとって、「次の十年間はどんな月日になるのだろう」ということを静かに考え、祈る時間となり、どこへ行くよりも忘れられない新年になったように思う。

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新年を迎えてもまだまだ長いのが十勝の冬。
例年どおり、というか妊娠中のため原野の散歩もできず、また春になって出産が終わっても台風で流された部分(原野の半分ほどで、最も植物や山菜が魅力的だったエリア)はもう歩けないと思うと例年以上に、冬の長さにホームシックに陥っているわたし。
それでも乾燥させておいたヨモギを煮てよもぎ餅を作って頬張ると、植物のエネルギーが気力となって身体に入ってくるような気がする。

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(奥の物置小屋、去年あとりの会で東側の一部だけ牛ふん+土+わらの壁にしてみたのだが、剥がれもせず今のところいい感じ。今年は全部塗れるかな?)


妊婦は雪かきしてはいけない、と言われても、雪かきしないと薪小屋の屋根が落ちるし、ヤギや鶏の世話もできないし…。
ほとんどはお向かいのOさんがご厚意で除雪してくださるのだけれど、びゅうびゅう風が吹く日などは除雪してもらってもあっという間に取付道路が吹き溜まってしまう。
お腹が張ると思っても、雪かきしないことには車を出すことができない…。

先日、Oさんの母上と電話で話す機会があった。
Oさんのご両親は先日町へ引っ越したため、日が昇る数時間前には起きて車で町から牧場へ通ってきている。
母上もこの地域の酪農家の出身なので、お二人ともこの地で生まれ育ち、ここでずっと酪農に携わってきた方。母上のほうは酪農の傍ら畑もやっていて、町の直売所で販売している。
ここの物凄い西風や雪の多さ、畑への鹿や雨の害にいちいち潰れそうになりながらなんとか暮らしているわたしたちにとっては、大先輩というより、一生かかっても到達できないところにいる凄い人たちだ。
「わたしらはもう50年以上もこんなことをやっていて、自分たちにとってはこれが普通だから、凄いと言われてもよくわからないけどねえ」
まだ暗いうちから、マイナス20℃を超えるような厳しい寒さの日も、吹雪の日も、毎日の仕事を当たり前の生活として淡々とこなしていく姿が目に浮かび、思わず涙がでそうになってしまった。

こちらへ来てから、たまに学歴を聞かれたりして「すごいね」と言われることがあるが、物凄く恥ずかしくなってしまう。
ここの人たちが当たり前のように送っている生活のこと、その繰り返される営み、自然と対峙してきた歴史を思うと、自分がいかに頭でっかちな、手を動かさない人間なのかがよくわかる。
この地域の老人は長寿の方が多いと聞くが、きっと身も心も強いのだろう。
わたしなんて養殖のサケみたいなものなんだろうなあ。
尊敬するOさんのご両親夫妻のように強くなれる日はくるのだろうか。

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うう、この「閉じ込められ感」に耐えられない…。


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スクールバスに乗って帰ってきた兄を大喜びで迎えに行った弟。
彼はいつも兄の帰りを待ちわびている。
手前のコニファーはヤギに齧られてひどい有様に…春になったら新芽が出てくれるといいのだけれど。

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リビングの、雪に閉ざされた窓からカタカタと音が。

ん? このチョロっとしたものは…

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野ネズミさん!

足跡としっぽ跡、食痕はよく見かけるけれど(死体も一度見たことがある)生きているのを見たのは初めて。こんなに可愛いお顔をしていたとは。

雪に開いた穴から穴へと移動するねずみさん。

なんだかピーターラビットの世界のようで、登場するたびに子どもたちと観察を楽しんでいる。

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池袋のねずみなんて太っていて不気味だったけれど、野ネズミは可愛いものだなあ。

なるべく、植えた木の枝は齧らないでね…。

 

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新年を迎えてすぐに、鶏が卵を産むようになった。日に日に厳しくなる気温よりものびてゆく日照の方を感じるのか、彼らにとってはもう「春」らしい。夏にせっせと摘んで塩蔵していたわらびを慌てて塩抜きして食べ始めた。
そういえばギョウジャニンニクの醤油漬けもまだ少し残っている。

ふきのとうが顔を出す雪どけまで、あと二ヶ月とすこし。
まだまだ寒さは厳しく雪も積もりそうだけれど、昨年さまざまにいただいた原野の恵みを味わいながら、今年も芽吹きの春を待とう。




2017.02.03 Friday ... comments(0) / -
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