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ぺーじむいしゅきん−北海道十勝の原野より

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#いまさら・七月あとり<鶏を食べる>
季節が飛ぶように過ぎてゆき、ここ十勝芽室町はすっかり秋の風。
秋の風、ということはぐったりしながら草取りをする時期の終わりということで、再び「剣先開拓」の季節がスタート!
我が家の自給仕事の大部分を占める「開拓」には三種類ある。

「ヤギ開拓」…ヤギたちをつなぎ、ぼうぼうの草地や人跡未踏のイタドリ林などを開拓してもらう。一度開拓したがまた伸びた、というような場所も、何度も食べてもらう。
「マシン開拓」…草刈り機で開拓。主に笹原。笹は三年刈りつづけると弱って枯れると教わったが、確かに勢いはなくなってきたような気がする。
「剣先開拓」…剣先スコップによる掘り返し開拓。かなりの体力を消耗し、時間もものすごくかかるが、すぐに作物を植えられるようになるため、畑予定地はこの方法で少しずつ開拓中。

「剣先開拓」は自給仕事の中で最も過酷で、半日もやるとヘトヘトになってしまうのだが、達成感もひとしお。
なにしろ、「すぐに作物を植えられる」のである。これがどんなに素晴らしいことか、すべてがお膳立てされた市民農園で種まきしていたころは分かっていなかったのだなあ。
 
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さて、そんな訳で、仕事に追われなかなか投稿できていないが、今回は七月あとりの会について。
鶏を食べた。

鶏については、春から何度もキツネやテン(と思われる)に襲われ、22羽があっという間に8羽になってしまったのだが、そのうちの2羽を捌いて食べた。
3日前にもテンに襲われた鶏たちの死体を泣きながら処理したばかりで、正直に言うと、わたしは捌きたい気分ではなかったけれど、春からのあとりの会を見ていて、今なら、と思っていたので、予定通りに開催した。
 
食べたのは、「養鶏場から廃鶏としてもらったけれど、いよいよ卵を産まなくなったので、お肉用にあげるよ」といただいたボリス・ブラウン。
わたしは普段ボリス・ブラウンについては個体認識をしていないし、しないように努めているのだけれど、今回の鶏は卵を抱く(珍しい)ボリスで、よく「あれ?1羽いない」と探し回った末に干し草小屋の隅でのんびりしているところを発見する子だったので、やっぱり、「この子は今日でいなくなってしまうのか」、と思った。
 
この日も干し草小屋に座っていたのを、E君につかまえてもらった。
「あったかいです」
とE君が言った。

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これは血管を切り、血抜きをして、羽根を毟ったあと、捌いているところ。
先日ハトの羽を毟った際の経験から、「死後すぐ、身体があたたかい間なら、お湯につけなくても羽根が毟れるのでは?」と思って試したけれど、やっぱりお湯につけたほうがうまく抜けた。
臭いはあまりしなかった。

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新鮮な肉はほとんどナイフをつかわずに捌けるはず…なのだけれど、胸肉だけはうまく捌けないわたし。
T氏に動画で「胸肉と手羽をいっしょにとる方法」を勉強してもらい、ぶっつけ本番でトライ!
 
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脂が黄色い…??と思ったら、Oさんが「黄色い脂はいい脂ですよ」と。
不飽和脂肪酸らしい。
ちなみに我が家のエサは米/小麦と緑餌がメイン、残飯少々。
以前は放し飼いで虫やミミズも食べていたけれど、外に放せなくなってから、どうしてもタンパク質が少なめに。
 
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なかなかきれいにとれた!
 
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飽きて虫捕りしていた少年達。
 
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きれいだね…
 
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さて、お肉の解体が終わったら、女性陣が用意してくれていた野菜と一緒にスープに投入。
新鮮な肝臓・心臓は網の上でジュー…。
 
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原野のねぎがたっぷり入った鶏汁
 
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赤い実は、少年たちがとってきて飾ってくれたエゾノニワトコの実。
 
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おいしそう…!
 
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さて、お味のほうは、わたしが食べた肉は固くもなく、おいしかった。
以前、とても固かった印象があったので、ずいぶんやわらかいな、と思った。のだけれど、ものすごく固い部位があたった人もいたよう…。やっぱり、死後硬直がとけるまで寝かせたり、漬けたり、長時間煮込んだりしたほうがおいしく食べられるよう。
 
逆に絶品だったのが肝臓と心臓。
こんなに臭みのない、おいしいレバーは初めて食べた!と江島さん感動。
我が家の鶏だから言うのではなく、本当にこんなにおいしいレバーは初。臭みを消す必要はまったくなし。全部レバーでもいいくらい。
 
鶏をしんみり食べようと思っていたのだけれど、「焼きたいもの持ってきて」と言ったら思った以上に豪華なものが集まり、贅沢な昼食となった。
 
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その後、Rさんが用意してくれたお楽しみ!ヨーヨー釣りが。
子ども達、縁日気分で大喜び!!
 
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仙人のOさんにまで「どうぞどうぞ♪」とヨーヨーを釣らせたRさん。すごいっ!
最初は緊張感もあった今回のあとり、最後はひととき和やかな時間を過ごせた。

 
初めての「命を奪う(のを見る)経験」だった人たちも多かった、今回の<鶏を食べる>。
参加した人たちはどう思ったんだろうか。
数日後、Yさんから「じわじわときています」というメールがあった。
もしかすると、その場ですぐに言葉にして片づけられるような経験ではなかったのかもしれない。
 
今回、とても驚いたのが、四歳の十月少年の反応。
彼は何回も見たことがあるし、三日前にも鶏の死体を見ているし、虫を殺してしまうこともあるし、今回はふざけたり、笑ったりしてその場の雰囲気を壊さなければいいけれど、と思っていた。
ところが鶏が膝にはさまれると、「ころさないで」とシクシク。
「かわいそうだよ…」とメソメソ。
しまいには、見えないように家の中に入ってしまった。
 
これは今までになかった反応!
自分が飼っている鶏だからなのか、嫌がるところをつかまえたのを見ていたからなのか…。
もちろん、お肉になった鶏はおいしく食べていたけれど!
 
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(残った鶏汁は骨と共に煮込んでスープカレーに。おいしかった!)
 
最初に鶏の命を奪った時、色々考えたり、理由をつけたり、言葉を探したりした。
言い訳めいた響きもあったかもしれない。
でも、今は「ありがとう」と、その気持ちだけ。
手を合わせて、いただいたものが「血となり、肉となる」ことを感じるだけ。
「食べる」って、善悪ではないと思う。
今、生かしてもらったわたしも、いつかそちら側にいく。そして、動物や虫や微生物や植物たちの一部になりたい…。
そんな思いしかない。

 
<九月のあとりの会>
9月11日(日)9:00〜、昼食の具材持ち寄りで土壁をペタペタ作る予定。
単発参加可能。
希望される方はrousokumori@aol.jpまでご連絡を!



2016.08.25 Thursday ... comments(0) / -
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