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ぺーじむいしゅきん−北海道十勝の原野より

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#笹取物語 〜2015原野キャンプ
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ここに住む前から、自分たちが自給していく土地は自分たちだけのものではなく、分かち合える誰かに「開きたい」という思いがあった。
エコヴィレッジやシェアハウス、住み開きなどのイメージをぐるぐるしながら、どんなホーム/フィールドにしていこうか(もしくは、期せずしてなるのか)ずっと考えていて、今でも模索中だけれど、この春からすこしずつ、形にしようと試みている。

そのひとつ。
原野キャンプを開催した。

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(前日16日PM 笹染めの試作中。灰の上澄みで媒染したり、ミョウバンで媒染したり、灰を染液に入れてアルカリ性にしてみたり…)

四月にアースオーブンづくりで来てくれた、NPO法人コドモワカモノまちingのかーびーさんが、奥さんのえこさんと坊やと一緒に、夏に原野へ遊びに来る!ということで企画されたこのイベント。
当初は、パーマカルチャーや自然素材での建築に詳しい一級建築士&プレイワーカーのかーびーさんに、いつかは作ってみたいアースバックハウス(粘土で作る家)作りの指導を…と思っていたのだが、なにしろ我が原野、笹の根が固すぎて、粘土を掘りだすだけでとんでもない時間がかかってしまう。
「それなら、いっそ笹をテーマにしよう!」
ということで…

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『笹取物語〜原野キャンプで先人の知恵を学ぼう!〜』

内容は、開拓からのミニチセづくり、笹寿司・笹ちまきづくり、笹染め、その合間にロープワークやサバイバル術など…
参加費は、一泊二食つきで、大人8,000円、子ども4,000円(二歳以下無料)。
たぶん、多くの人は「笹で遊ぶだけでキャンプするだけでお金をとるの? そんなの自分だってできるよ」と思うだろうけれど、かーびーさんは遊び・学び・自然・創作のスペシャリスト。
教えて育てる「教育」ならぬ、感じて育つ「感育」を大切にしていて、外から何かを押し付けることはしない。かといって、もちろんただ放置するのではない。

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共に考え、感じ、対話し、「それいいね!」や「そんな考え方もあるんだ!」がいっぱいの中で子どもの(大人も)ワクワクする心のスイッチを入れてゆき、知識や知恵をシェアしながら、参加者自身が興味に基づいて学べるように導いてくれるのである。

前回のアースオーブンづくりでは、わたし自身も、自ら工夫する・考える→失敗をする→知識が蓄積される→リカバーする→また工夫する・考える…といった実体験を通じて、「ああでもない、こうでもない」の効用を身をもって(これが大事で、「失敗は成功のもと」なんて人から言われただけでは絶対に身につかない)経験したのだった。

さて、そんなわけで、お盆明けの平日にもかかわらず四組の参加者さんが集まってくれた原野キャンプ。写真でふりかえってみよう。

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前日16日PM 夕食はT氏が担当

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17日AM
参加者さんが集まってきて、自己紹介・動物紹介・土地のなんとなく紹介〜笹チセづくりのため、まずは材料集め

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なかなか頼もしかった男子チーム

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土地のいちばんいい場所に家を建てよう。気持ちの良い場所…力を感じる場所…条件のよい場所…どこにする?から相談して、小さな木に寄り添われた、開けた場所に作ることに。

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T氏が担当 塩・こんぶ酵母・白菜・しょうが・きのこのスープ

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ガラと対決かーびー

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俺のナワバリに入るな!

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指をちょっと切って、絆創膏はって再挑戦

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にわとりも集まってきた

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初めて見た緑のクモ(?)

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12:30頃 持ち寄りご飯!
芽室コーンチャーハン・小豆ご飯・自家製鶏ハム・トマト・ハーブのポークソテー・野菜スープ…

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外で食べる楽しさ、色々食べられる楽しさ、みんなで並ぶうれしさ。

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かーびーは洗っただけの木に盛りつけ。美しい!

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午後はいよいよミニチセを作るよ〜

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枝払い(ノコギリを持つ手は本当は軍手をつけない方がよいよ!とアドバイス)

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男の子たちは「切る」のが大好き。本能?

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土に埋めても腐りにくいよう、柱の先を焼く

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「炭化すると腐りにくい」これ使えそう…

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にわとり発見!
ちょっと怖いけど…

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触ってみたい!

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ロープワークを習い、「自然にはほどけないがほどきいやすい」縛り方で柱と屋根をつなぐ

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本も色々出ているけれど、実際に伝授してもらって、使ってみないと覚えないよね

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お水で遊んでます。なぜかうちに来る子どもたちは水が大好き。びしょびしょになるまで遊んでます

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手づくりのヤリ?的なものを作って遊んでいた少年

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おお! 遊んでいるうちに、いつの間にか屋根が…

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柱をちょっと内側に傾けることで風に強くなるというアイヌの知恵だそう。

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柱を建てたところに石を埋めてゆき、沈下を防ぐ(容積が一定なので土よりも沈みにくい)
水はけもよくなる。

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さあ、どうやって笹の壁をつくる? みんなで考えよう!
伝統的なチセの作り方を学ぶことが目的ではなく、「あるもので・ある条件の中で知恵をしぼってみんなで考える」ことが今回の目的。

マニュアルどおりひとつの作り方で作れるようになることも(そこから応用できることはたくさんあるし)もちろん大切だけれど、わたしは、一番大切なのは「どんな状況でも知恵や創意で生きる・楽しむ」ということだと思っている。
教わったことができるだけではなく、そこからどれだけ応用できるか、自分なりの工夫ができるか、置かれた状況をを楽しめるか…。
それはわたしたちの目指す自給においても、子どもたちの育ちにおいても、どんな社会的役割の人にとっても、たぶん人だけじゃなく生きて子孫を残すものすべてにとって、大切なことなのではないかと思うのだ。

夕食までの時間が限られた中で、どうやって小屋を作る?

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みんなで出した答えは…

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織物方式!

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この笹壁づくりは、織物好きにとってはなかなか楽しい作業!
密にしていくことで、徐々にきっちりと枝が噛みあい、するりと落ちづらくなっていく。

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じゃーん!
Nさんお手製、抹茶とミルクのプリン登場♪
お皿を洗うのが大変なので笹の葉にすこしずつ盛り、食べ終わったらポイ!

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プリンの次は笹団子をもぐもぐ…
笹団子はせっかく作ったのに蒸しなおしが甘くて、固かったのが悔やまれる〜(最後に一つだけ残った団子をレンジで加熱しなおしたら、やわらかくなったので、加熱が足りなかったみたい…)

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時間の関係で屋根はふかなかったけれど、時間のある時にちょくちょく通って完成させよう。

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団子の次はおにぎりを食べていた子ども達…

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気をつけてよ〜

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「子どものなる木」

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ついに、世界でひとつのちっちゃなお家が完成!!

で、

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順番にお風呂に入りながら、夕食のための笹とり〜畑で収穫〜調理。
この辺りで雨が降ってきて、外では調理できず家に避難。

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いっぱい収穫してくれた「大地のリンゴ」。品種はさやあかね。

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デッキに屋根作ろう! そっち側に張りだすぞ〜

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いいでしょ♪

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笹の葉を洗うのに予想以上に時間がかかり、夕食作りは難航…

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Yさんの偉業

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翌日、木綿を染めるため、タンパク質成分が欲しかったので、豆乳でお豆腐づくり!

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子ども部屋にカーテンをつけたら…

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子どもの国に。
雨なので家の中で寝ます。

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子ども達からmy笹寿司づくり

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これにしよーっと!

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あむ…

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軽く握って笹の上に乗せ、五平餅のような形に整えます

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どんどん重ねて。

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できた〜!


お昼の残りやNさんの差し入れも加わり、豪華な夕食に。

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豆乳を作ったあとの残り汁に、染める布を漬け、洗って干す

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ひたすらハエをつかまえていた人

Aちゃん「亀はハエ食べますよ〜ぱくっと…」
「じゃあ、お持ち帰りする?!」

この後の大人タイムでは、かーびーさんの活動紹介、自然素材での建築について、その他諸々のお話に花が咲き…
わたしは、数日前に急いで醸したものが、イースト多め&種類を変えたこともあって軒並みイマイチな味になってしまったのが残念! 本当はもっとおいしくできるので(飲む時に最高な状態になるようタイミングを合わせることができれば)懲りずにまた来てね。

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朝、片づけたふとんは子どもたちに人気の場所に。
こんなふうに、人がたくさんいると家の中でひとつの場所に人が集まり始める現象が起きて、興味深い。

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笹染めの準備をしながらちまきづくり

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結構時間がかかるのです。
わたしだけでももう少し早起きして、すぐに作れるようにしておけばよかったかな〜

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笹の葉に包んで、くるん!

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つめつめ…

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いい香り!
ちまきは全部みんなに配る予定が、最後のバタバタの中で一段目しか配らなかったようで…ごめんなさい。また作ろう!

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今回は大人8人、子ども7人の少人数で、参加者さんたちも素敵な人ばかりだったので、おっきな家族のようなあたたかい雰囲気に。

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朝食時の話題は、色々な学校の形について。
縦割りの教科を学ぶのではなくて、子ども自身が決めたあるテーマ(たとえば「釣り」とか「小屋づくり」など)の中で様々な科目を学んだり、遊びの中で総合的に学ぶこともできるという話。
子どもの興味に基づいた総合的な教育にはとても関心があって、シュタイナー教育については色々調べたり学校へ行ったりしてみたけれど、もっと「自然の中で・自然と共に」という部分があってほしいと感じていたわたしたち。全国にはもっともっとたくさんの、特色ある学校があったのね。
おもしろい!

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食事の後は染めの時間。子どもたちはちょっと退屈だったかな? それぞれに遊んでいました。

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手仕事している手って、どうしてこんなにうつくしいんだろう。

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あるものでなんでも遊ぶよ。

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葉っぱをとりかえて何度も煮だした汁に

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布を漬け、ミョウバン液へ

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浸している間にヤギ乳搾り

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ヤギの体温、呼吸、匂い、やわらかさ…。

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上手にしぼっていたSくん

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好きな草をとってきてあげる係が実は重要。
このGくんは前夜、真っ暗な闇の中、一人で車中泊を体験!
今度は晴れていたら、みんなで闇の中で感覚を澄ます体験もしたいなあ。

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あったかいよ。

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改めてチセの説明を聞きながらヤギミルクを試飲。あま〜い。
蠟燭森自慢のヤギ乳フローズンヨーグルトも食べたよ。

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Yさんをはじめ、みなさん洗い物や片づけを率先してやってくださり、少しでも時間があればテキパキと働いて、キャンプ終了後の家はなんと掃除の必要がなかったほど。本当に本当にありがとうございました!

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染め上がりは綺麗なレモンイエローに。
時間の関係で、染液→媒染の往復ができなかったので、色が薄くて絞りの模様が見えづらいけれど、もっと何度もやっていたらきれいな光の模様になっていたかも。
またやってみよう!

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できあがり!

この午前中、この部屋にはすごくあたたかくて、何かよいものが充満している感じがしていた。笹の香り、手仕事する人のまなざし、子どもたちの笑い声、誰が誰とどんな関係かがわからなくなるような、渾然一体とした感じ。

KちゃんがSにお茶をついであげたら、誰かが「Kやさしんだよー、お茶ついであげたんだよー」と言い、まるで何かがうつっていくみたいに、子どもたちが「やさしいねー」「やさしいよねー」と笑って、なにかやわらかい輪がひろがっていく。

かーびーさんもえこさんも、すごくリラックスして平和な気持ちに満ちていて、全然「講師」っていう感じじゃない。家族の一員みたい。

参加者さんたちの、自由な動きや言葉や表情や、そういったものによって醸されていく空間。

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(これはよく19日の写真。雨上がりで空気が甘くさわやか。ぜひまたこんな日も体験してほしい)

実を言うと、わたしにとってこのイベントは、とてもプレッシャーを感じるものだった。
参加費が安くはないからだ。
わたしは「高すぎるもの(誰かから不当に奪っているもの・セミナー商法など)」とか「安すぎるもの(誰かが不当に奪われているもの・児童労働のプランテーションで作られたものなど)」というのがイヤで、価格はものの総合的な価値とイコールであるべきと考えている。
感育のプロを招くのだし、少人数につきっきりで行い、食事や準備にもそれなりのお金や手間がかかることを思えば、これ以上安くは設定できない金額なのだが、問題は、こちらにとってどうかということではなく、「相手にとって、価格に見合った満足感が得られるものになるか」ということ。
相場がどう、とか、たとえば二食付のB&Bで一日半のワークショップつきだったら安いくらいでしょ?とかそういうことは関係なく、自分が考える8,000円ぶんの価値を人に与えることができるのかが、信頼するかーびーさんと一緒でさえ、とても心配だった。

ライブだからだ。

一ヶ月でピアノの教本のここからここまで進みます、とか、
このワークショップに参加すれば必ずこれができるようになります、とか、
そういうことが言えない。
当日の参加者さんの体調、精神状態、どれだけ楽しみにしていてくれたか、参加者さん同士の相性や年齢層、それぞれが何を得たいと思っているか、当日興味がどこに向かうか…そういったことと、わたしたち主催者側の準備、当日の体調、精神状態、臨機応変のアドリブとが、合わさってひとつの空間をつくりだす。
だから、すばらしい雰囲気になるか、しらけてしまうかは、当日までわからない。
ある人にとっては得難い体験になるかもしれないし、別の人にとってはそうはならないかもしれない。
舞台のようなもの。
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慣れないわたしにとってはとてもドキドキするものなのだが、今回は参加者さんに恵まれて、そして太陽のようなえこさん&かーびーさんのおかげで、本当に素敵な空間になり、感謝の気持ちでいっぱいだ。


自分たちの営みが基本だと考えているわたしたち。
いくら「開きたい・分かち合いたい」といっても、自給や生活が疎かになったり、子どもに負担をかけたりするならばこういうことはやらなくてもいいと考えている。
やりたいことはたくさんあるが、向き不向きの問題もあるし、そういうことを仕事にしようとは、今のところは考えていない。

でも、こんなふうに人がつながることの満ち足りた気持ちを味わってしまったおかげで、そしてかーびー&えこさんのエネルギーを受けたおかげで、もっと自分たちの普段の生活に寄り添う形で、何かできるかもしれない…そんな思いが、芽生え始めている。
今日がまたあたらしいスタートになるのかな。

参加者のみなさん、かーびーさん、えこさん、ありがとうございました!
また泊りに来てね〜!

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(19日の星空は久々の満天。また次回に!)



2015.08.18 Tuesday ... comments(0) / -
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